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が使用される。その固有の性質、特にその強固さ、帯域幅及び移動デジタル通信における適用範囲が広いためにGMSK/FMが使用される:そこで、25kHzのVHF単信チャンネルでは1秒間に9600ビットの伝送速度で1分間に2000の報告が可能であり、12.5kHz VHF単信チャンネルでは1秒間に4800ビットの伝送速度で1分間に1000報告が可能である。

 

どちらのシステムも創始した国で稼働中である。スエーデンでは船舶45隻、及び2か所のVTSセンターと海難救助コーディネーション・センターを含む5か所の地上局がシステムを備えている。南アではシステムは海上及び地上移動局で使用され、1500台の移動装置が設けられている。カナダと米国はスエーデンのシステムを、ドイツは両方のシステムを試験的に設置した。これらのシステムついては新勧告ITU−RM[8C/TEMP/5−E]の予備草稿で述べられている。更に詳しい説明は付記1及び2にある。

 

2.2 DSC・VTSトランスポンダ

デジタル選択呼出(DSC)法はVHFチャンネルで船舶から陸上へデータを送るトランスポンダを使用するための勧告ITU−RM.825で使用される。これらのトランスポンダは陸地ベースの船舶識別、追跡及び監視を支援する。VHFチャンネル70使用の場合メッセージ容量は毎時500メッセージまでである。VHFチャンネル70はその理論上の最大処理能力の15%以上は使用できないためとビット速度が毎秒1200ビットのために更新率は限定される。例えば勧告ITU−RM.825の改訂案や前項に示されているように、別のVHFチャンネルで他の電子的手段によって船舶とのデータ通信を確立することが現在検討されている。本文書の付記3に更に詳しい情報が記載されている。

DSC・VTSトランスポンダはプリンス・ウイリアム海峡(米国)のVTSで使用されており、カナダ、米国及びドイツのVTSセンターに試験的に設置されている。

 

3. その他の考察すべき提案

上述の放送トランスポンダ・システムは自動調整型である。DSC・VTSトランスポンダは船上トランスポンダヘの問い合わせのために地上制御装置を必要とする。

3.1 TETRA

共通制御装置を使用する方法の一つは例えば、緊急サービス/警察、消防救急車及び沿岸警備隊用に開発された基準であるトランス・ヨーロッパ主要無線の使用である。TETRAは時分割多重アクセス(TDMA)システムで、船舶・陸地間及び船舶間のデータ伝達を支援できる。TETRAについては付記4で説明されている。TETRAは国際船舶社会では未だ実施されていない。

 

3.2 TRACS2000

別の共通制御装置として、本来は交通量の多い、又は多数のパイプラインや構造物のある7千平方キロ程度の沖合いの区域のために設計されたTRACS2000がある。測位精度5メートル、信頼性95%、システム可用性99.9%が要求された。更に、運用区域において100隻までの船舶を追跡し、遠隔制御を行える能力が規定された。TRACS2000の説明は付記5にある。

 

 

 

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